猫がお酒の瓶倒して中身ガーってこぼれてあらゆる機械が全滅する感じで。
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『短編物語NEKO「ねぇ、秒速5センチメートルじゃないんだって。雪の落ちるスピード。」』物語。
2008年02月04日 (月) | 編集 |
静かに雪は降り続く。
明日は出張だ。 駅までどうやって行こうかな。
まだ真っ暗な朝、さくさく雪を踏みながら、歩いていくのも悪くない。

と、妄想を膨らませながら朝を迎え、結局最寄の駅まで車で出た。

突如として、こんな暗くて雪の降る朝には、タチアナ・ニコラーエワのバッハが最も響くに違いないと三郎は確信した。

車内のCDデッキに銀色の円盤を差し込むと、訥々としたピアノで演奏された「フーガの技法」が、車内を暖めるのにMAXにあげたヒーターの轟音の奥から立ち上がってくる。

ヒーターを止める。
粉雪の降る中を車はそろりと走り出す。
コントラプンクトゥス?の5声目に4WDのエンジンと雪を踏みしめるタイヤの音が加わる。
バッハだって、この曲のこんな聴き方は知らなかったはずだ。
 
途中、道端の竹が雪の重さで道路に倒れ掛かっていて対向車が立ち往生している。
それを見て、坂道で何の気なくブレーキをかけた。

と、次の瞬間、フワーッと車が「美しく青きドナウ」を舞いだす。

ヒヤッとした。

昨日の雪玉を彼女の後頭部に当てた時ぐらいヒヤッとした。
そういえば、彼女はあれからどうなったのだろう。

無事、駅近くの図書館の前の駐車場に着き、外へ踏み出す。
三郎が雪を踏む音が暗闇に響く。
バッハの残響が耳の奥で共鳴する。

長い一日の始まり。
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